AIチップの消費電力急増に応える、Joinspireのビアフィリング銅ペーストが次世代HDIインターコネクトのボトルネックを解消
AIチップの消費電力が2kWを超えて上昇するなか、従来型HDI PCBのビアプラギング材料は熱的・信頼性の両面で深刻なボトルネックに直面しています。Joinspireのビアフィリング銅ペースト「JL-CS-F01」は、超高熱伝導率(124 W/m·K)と低い体積抵抗率、そして12回連続のリフローでボイド・クラックゼロを実証した高い信頼性により、この課題を解決します。
次世代AIプロセッサの登場により、チップ単体の消費電力はかつてない速度で拡大しています。NVIDIAのRubin GPUチップは単体消費電力を2.3kWまで引き上げており、これはB200チップの2.3倍に相当します。さらに将来のFeynman GPUアーキテクチャでは、4,400Wという驚異的な水準に達すると予測されています。
こうした極めて高い電力需要と高速データ伝送に対応するため、AIハードウェアではGPU OAMアクセラレータカードやUBB基板において超高密度インターコネクト(HDI)PCBが採用されており、その層数は20層から30層に達しています。

(図1:NVIDIA GB200に採用されている多層HDI PCB)
高密度コンピューティングにおけるビアプラギングの課題
HDI PCBは現代のAIコンピューティングを支える物理的な基盤ですが、材料面で重大なボトルネックに直面しています。HDI PCBは、貫通ビア、ブラインドビア、ベリードビアといった複雑なマイクロビア構造に大きく依存しています。しかし、従来のビアプラギング材料は高電力化の要求に追いついていないのが実情です。
- 従来の樹脂プラギング: 熱的・電気的な障壁として機能してしまい、垂直方向の放熱経路を著しく阻害します。
- 過渡液相焼結(TLPS): 導電性は樹脂プラギングより優れるものの、TLPSペーストは熱応力のミスマッチにより、リフローはんだ付け時にボイドやマイクロクラックを生じやすく、信頼性上の大きなリスクとなっています。
AIハードウェアが数か月単位で世代交代を繰り返す業界にあって、ハードウェアエンジニアは、優れた熱伝導性・導電性と高い安定性を兼ね備えたビアフィリング材料を早急に必要としています。
この課題に対応するため、Joinspireは**ビアプラギング銅ペースト「JL-CS-F01」**を発売しました。現在、国内主要PCBメーカーとの間で検証が進められており、次世代HDI設計向けの高信頼性ソリューションとして期待されています。

(図2:Joinspire JL-CS-F01ビアプラギング銅ペーストの主な技術的特長)
JL-CS-F01が実現する技術的ブレークスルー
1. 超低抵抗率と優れた熱伝導率
従来の樹脂プラギングが熱的な障壁として振る舞うのに対し、Joinspire JL-CS-F01はこの常識を根本から覆します。単なる樹脂の改良品ではなく、完全な機能性を備えた導電性ペーストです。
- 体積抵抗率(5〜8×10⁻⁵ Ω・cm): 多層基板間での円滑な電流経路を実現し、配線損失と発熱を大幅に低減します。
- 熱伝導率(124 W/m·K): 高電力AIチップ直下における垂直方向の放熱を「高速道路」のように確保し、アクセラレータカード設計者に新たな熱設計の選択肢をもたらします。


2. 低温・短時間硬化と優れた加工性
Joinspire JL-CS-F01は、非常に広いプロセスウィンドウを備えています。
- 短時間硬化(170°C〜180°Cで1時間): 製造スループットを大幅に向上させると同時に、精密な基板への熱ストレスを最小限に抑えます。
- 精密なCTEマッチング: 体積収縮を制御することで、FR-4材や高周波用積層材とのCTE(熱膨張係数)を最適な水準で整合させています。ディスペンス方式・スクリーン印刷方式のいずれで塗布した場合でも、垂れやボイドの発生なく、緻密で充実したビアフィリングを実現します。
3. 信頼性試験:リフロー12回でボイド・クラックゼロ
材料性能は実験室内の条件にとどまらず、実際の過酷な熱サイクルに耐えるものでなければなりません。12回の連続リフローサイクルを想定した製造シミュレーション試験において、Joinspire JL-CS-F01は以下の結果を示しました。
- ボイド0件
- マイクロクラック0件
- 構造健全性100%維持
この水準の熱安定性により、高負荷なAIサーバー運用で繰り返される熱サイクルの下でも、内部インターコネクトの堅牢性が保たれます。
4. 優れたプロセス柔軟性:硬化後表面へのはんだ付けが可能
後工程の効率化を図るため、Joinspire JL-CS-F01は硬化後の表面に直接はんだ付けが可能な仕様となっています。この特長により、PCBレイアウト設計者は配線・実装設計における自由度を大きく高めることができ、「緻密に充填し、確実に導通し、そのままはんだ付けできる」材料をまさに実現しています。
まとめ
AIハードウェアをめぐる競争は、半導体の製造プロセスだけにとどまらず、その土台となる基板材料の技術革新にも等しく左右されます。
高性能GPUがAIコンピューティングの「頭脳」であり、HDI PCBがその「神経網」であるとすれば、Joinspire JL-CS-F01ビアプラギング銅ペーストは、両者を結びつける重要な触媒としての役割を担います。高周波・高速伝送・高発熱という課題を解決することで、Joinspireは次世代の高密度電子インターコネクトの実現を支えています。